【短編】かわいく、ワルく、甘く愛して。
***
「ここには備品が置いてあるから」
「はい」
説明を聞きながらニコニコとつい顔が緩んでしまう。
総じて美形なヴァンパイアを常日頃から相手しているので、綺麗な顔は比較的よく見てた。
でも、ここまで私好みのイケメンに出会えたことはない。
つまり、顔が緩んじゃうのはやっぱりどうしようもないってこと。
累さんはヘラヘラしちゃってる私を不審そうに見るわけでもなく、ニコッと可愛い笑みを向けてくれるから尚更引き締められない。
「あ、丁度良いからそこからコピー用紙取ってくれる?」
累さんの可愛さを堪能していると、庶務の女子生徒が声をかけてくる。
「あ、私が」
見える場所にあったからつい率先して手を出した。
その際、紙で指先を切ってしまったらしい。
「ぃたっ」
とっさに手を引いてみると少し血がにじんでいた。
「――っ」
一番近くにいた累さんをはじめ、数人から息を呑む音が聞こえる。
ヴァンパイアだから血に反応したのか、単純に痛そうだって思ったのか。
流石にこの程度じゃあ判断は出来ないか……。
「ここには備品が置いてあるから」
「はい」
説明を聞きながらニコニコとつい顔が緩んでしまう。
総じて美形なヴァンパイアを常日頃から相手しているので、綺麗な顔は比較的よく見てた。
でも、ここまで私好みのイケメンに出会えたことはない。
つまり、顔が緩んじゃうのはやっぱりどうしようもないってこと。
累さんはヘラヘラしちゃってる私を不審そうに見るわけでもなく、ニコッと可愛い笑みを向けてくれるから尚更引き締められない。
「あ、丁度良いからそこからコピー用紙取ってくれる?」
累さんの可愛さを堪能していると、庶務の女子生徒が声をかけてくる。
「あ、私が」
見える場所にあったからつい率先して手を出した。
その際、紙で指先を切ってしまったらしい。
「ぃたっ」
とっさに手を引いてみると少し血がにじんでいた。
「――っ」
一番近くにいた累さんをはじめ、数人から息を呑む音が聞こえる。
ヴァンパイアだから血に反応したのか、単純に痛そうだって思ったのか。
流石にこの程度じゃあ判断は出来ないか……。