【短編】かわいく、ワルく、甘く愛して。
「あら、切っちゃったの? 確か絆創膏もあったはずよ」
「あ、大丈夫ですよ」
この程度の傷、シゴトではよくあることだし。
そう思って断ったのに、累さんに手首を掴まれ真剣な目で諭されてしまう。
「ダメだよ、ちゃんと洗って消毒しておこう。来なよ」
「え? あっ」
掴まれた手をそのまま引かれ、二人で生徒会室を出た。
二人きりになってちょっとドキドキするけれど、累さんってちょっと強引?
なんてことを考えていた私は少なからず……ううん、大いに油断してしまっていたみたい。
可愛い見た目だとしても、累さんもヴァンパイアに匹敵する美形だってことは明らかだったのに。
結果、のほほんと付いて行った空き教室で机の上に寝そべるように押し倒されてから彼が危険な相手だということを自覚した。
私、バッカじゃないの⁉
自分自身に悪態をつくけれど、それでこの状況が変わるわけじゃない。
「ああ……匂いだけでこんなに惹かれる」
空き教室に入ってドアを閉めた途端私を押し倒した累さんは、さっき切った指先に顔を寄せて恍惚とした笑みを浮かべていた。
可愛い顔に、色気さえ漂うような笑みが浮かべられてゾクリとする。
これは、間違いない。
「あ、大丈夫ですよ」
この程度の傷、シゴトではよくあることだし。
そう思って断ったのに、累さんに手首を掴まれ真剣な目で諭されてしまう。
「ダメだよ、ちゃんと洗って消毒しておこう。来なよ」
「え? あっ」
掴まれた手をそのまま引かれ、二人で生徒会室を出た。
二人きりになってちょっとドキドキするけれど、累さんってちょっと強引?
なんてことを考えていた私は少なからず……ううん、大いに油断してしまっていたみたい。
可愛い見た目だとしても、累さんもヴァンパイアに匹敵する美形だってことは明らかだったのに。
結果、のほほんと付いて行った空き教室で机の上に寝そべるように押し倒されてから彼が危険な相手だということを自覚した。
私、バッカじゃないの⁉
自分自身に悪態をつくけれど、それでこの状況が変わるわけじゃない。
「ああ……匂いだけでこんなに惹かれる」
空き教室に入ってドアを閉めた途端私を押し倒した累さんは、さっき切った指先に顔を寄せて恍惚とした笑みを浮かべていた。
可愛い顔に、色気さえ漂うような笑みが浮かべられてゾクリとする。
これは、間違いない。