私とキミと、彼と





「どう?キツくない?」



「いえ…ピッタリです…。」







本当に違和感がないくらいピッタリで…

なぜサイズがわかったのかと驚く私に、彼ははにかむように笑った。








「よかった。

店の人に〝これと同じサイズの靴をください〟って頼んだから。」







靴底が剥がれた靴を見せながら笑った彼に、私も釣られて笑顔になった。









「ふふっ…。

そんな注文の仕方で…しかも女性物の靴を頼むだなんて…恥ずかしかったでしょう?」





「あー…まじで恥ずかしかった。

店員さんの生暖かい視線が余計にツラい…」





「ふっ…あははっ…」





「おーい、笑うなよ。」




「すみません…だって…っ…」







この人が女性用の靴屋で一生懸命靴を選ぶ姿を想像すると面白くて…


今みたいに少し恥ずかしそうに顔を赤らめて、買い物をしたのかな?

周りのお客さんや店員さんからの視線に耐えながら?



そんなの…ちょっと可愛いなとか思ってしまうでしょ。






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