私とキミと、彼と
「…せめて、くん付けで許してください!
男の人を呼び捨てにするなんて、私にはハードル高すぎます…!」
「んー…ま、いっか。
ほら。呼んでみてよ。」
彼は頬杖をついて、急かすようにこちらを見つめる。
「そんなにじっと見つめられたら、呼びづらいじゃないですか…。」
「なんでだよ(笑)
…じゃあ、目瞑っとく。」
いや、見つめるなとは言ったけど…
これはこれで緊張するというか…。
もったいぶらずに話の流れで自然に呼んでしまえばよかった…
そんな風に後悔したけど、この状況で今更〝やっぱり呼べません〟なんて言う勇気もない。
…ええい!もうどうにでもなれ!