私とキミと、彼と
コンビニの駐車場で数分ほど待つと、聞きなれたエンジン音が聞こえてくる。
黒いボディーに赤いラインが映えるバイクが、私の目の前に停まった。
「千夏、お待たせ。」
ヘルメットを外して髪をかきあげるその仕草に、不覚にもキュンとしてしまった。
きっと自分のカッコ良さを自覚した上でやってるんだろうな、この人は。
悔しいから、ときめいてしまったことは内緒。
「凌哉くん3分遅刻!
罰としてアイス奢り!」
「千夏さんキビシー(笑)
まぁ、それでこの罪を償えるなら…ハーゲン○ッツでも何でも買ってやるよ。」
「さぁ、買ってこい。」と殿様のように私に財布を差し出す彼に思わず吹き出してしまう。
「ふふっ。何それ(笑)
冗談に決まってるでしょ。」
凌哉くんは一見クールそうに見えるけど、意外とノリがいいしよく笑う。
老若男女誰にでも分け隔てなく接するから、きっと学校でも男女問わずから人気なんだろうな。