私とキミと、彼と
「…そうだ…。はい、これあげる。」
私は先程買っておいた飲み物を彼に差し出す。
「お、レモネード。」
「前に、暑い日はレモネードが飲みたくなるって言ってたから…買ってみた。」
「さすが千夏サン。気が利くな。」
それを受け取った彼は、嬉しそうに私の頭をポンポンと撫でる。
「遠いのにいつも迎えに来てくれるお礼。」
「お礼なら…ちゅーも追加してくれたらもっと嬉しいのになー。」
ニヤリと笑ってこちらを覗き込むその顔は、まさにいたずらっ子…
…いや、いじめっ子の顔だ。
からかわれてるって分かっていても、見つめられるだけでときめいてしまう。
…恋って恐ろしい。