私とキミと、彼と
「こ、コンビニの駐車場でそんなことするわけないでしょ!」
「…へぇ。
ここじゃなかったらしてくれるんだ?」
「…へ、変態!」
真っ赤になってその肩を叩く私に対して、彼は「ごめんごめん」と楽しそうに笑った。
全く誠意のない謝罪だけど、私は彼のこの無邪気な笑顔に弱いんだよな。
大抵の事は許してしまいそう。
「キスなんて、もう何回もしてるのに。
千夏はほんとに初心だよな。」
「ち、違うし!
これは凌哉くんが外で変な事言うからで…」
「恥ずかしがんなって。
言っとくけど、初心ってのは褒め言葉な?
初心な千夏ちゃんサイコーっす。」
「もう、何言ってんの(笑)」
親指を立てながら訳の分からないことを言い始める。
からかわれて怒ったふりをしていても、結局最後には私も笑ってしまうんだ。
いつもそう。
だから今までも、凌哉くんと大きなケンカには発展したことがない。