私とキミと、彼と
凌哉くんと交わすこんなくだらない会話が、私にとって何よりも幸せだった。
彼の体温、声、会話のテンポ…
全てが心地よくて…
きっとこの人が私の運命の人なんだろうな。
私も、そんな人と出会えたんだな…。
きっと今から向かう先は彼の実家で…
これからもずっと一緒にいるために、凌哉くんのご両親には気に入ってもらわなくちゃ。
…この時の私は本気でそう思っていた。
これから行く先がどこなのか…
誰に会わせるつもりなのか…
…───そして、彼の正体が何者なのかも知らなかったから…。