私とキミと、彼と
「うん。連れてきてくれてありがとう。
私も…凌哉くんのことなら何でも知りたい。」
私の言葉で嬉しそうに笑う彼の姿に、胸がキュンと高鳴る。
あぁ…。当たり前だけど、やっぱり凌哉くんは凌哉くんなんだな。
彼の全てを知っているわけではないけど…
私が今まで見てきた彼の姿に、嘘偽りなんてひとつもない。
…だから、大丈夫。
もし仮に彼の〝仲間〟が怖い人たちだったとしても、
彼の正体が何者だったとしても…。
それを知ることに恐怖なんてない。
「凌哉くん…。
このまま手、繋いでてもいい?」
「当たり前。」
まるで〝離さない〟とでも言うようにその手に力を込める彼。
お互い見つめ合い、私が小さく頷いたのを合図に二人で歩みを進めた。