私とキミと、彼と
重々しいシャッターを開けると、開放的な空間の中に十数人程の男たちがいた。
各々バイクの手入れをしたり、会話を楽しんでいた彼らは、私たちの登場に一気に視線をこちらに集めた。
「お、凌哉さーん!こんちはっす!」
「凌哉!その子が例の彼女かー?」
年代は私たちと同じくらい。
金髪やら、ピアスやら…
正直、少し怖い見た目の人たちもちらほら。
だけど…みんな凌哉くんの登場に目を輝かせていて、ここにいる全員が彼を慕っていることが伝わった。
ここにいる人たちはみんな、凌哉くんが好き。
…同担に悪い人はいないのかも…?なんて自分に言い聞かせてみると、不思議と恐怖心も和らいだ。