私とキミと、彼と
「この子、俺の彼女の千夏。」
「…あ、初めまして…。」
彼の紹介に続いて小さく頭を下げると、倉庫内には男性たちの太い声が響く。
「千夏ちゃん!よろしくー!」
「千夏ちゃん、俺の名前はねー───…」
男性たちが勢い良くこちらに詰め寄ってくるものだから、私は思わず体を硬直させた。
それに気づいた凌哉くんがすぐさま彼らを制止してくれたから、助かったけど…。
「一気に寄ったら千夏が怖がるだろーが。」
「わー!ごめん、千夏ちゃん!」
「怖がらんとって〜。」
「あ、いえ…」
凌哉くんに注意されて申し訳なさそうに謝る男たち。
たしかに、見た目は怖いけど…
やっぱり悪い人たちではなさそう?
少なくとも、現時点であからさまに私に悪意を向ける人はいないようだ。