私とキミと、彼と
「千夏、行こう。」
「うん。」
握った手をそっと引き寄せた彼に従うように、私はその一歩後ろを着いて歩いた。
階段を少し上がると、下のフロアにいた人達が途端に小さく見える。
「俺の仲間…
人数多いし顔怖いヤツもいるし、正直ビビっただろ?」
「うん、ちょっとビックリはしたけど…。」
彼の問いに、私は正直に返した。
だって…派手髪だったり、やたらとガタイが良かったり、顔が怖かったり…
爽やかな印象の凌哉くんの〝仲間〟と言われても、どこかしっくりこない人達ばかりだ。
まぁ、でも…人は見た目で判断するものじゃないし。
それに…
「悪い人たちではないんだろうなって、思う。」
小さく呟いた私の言葉に、彼は嬉しそうに笑った。
仲間を褒められたのが嬉しかったのかな。
彼が仲間を大切にしていることは、言葉や表情から伝わってくるから…