私とキミと、彼と
「…千夏のペースでいいとは言ったけど…
とりあえず、今から紹介する3人だけでも覚えてあげてな。」
「3人…?
凌哉くんの友達?」
「ここにいるヤツらは全員俺の友達だけど…
まぁ、簡単に言えばこのグループの〝偉い人達〟かな。」
「え…偉い人!?」
さっき下で会った人たちも、悪い人ではないことはわかるけど見た目はかなり怖かった。
…そんな人たちの上に立つ〝偉い人〟って…
少々ビビる私を他所に、彼は「会えばわかる」とドアノブに手をかける。
「ちょ…待っ……心の準備が!」
私の叫びも虚しく、ゆっくりと重々しく開かれる扉。
私は咄嗟に一歩下がって、彼の背中に身を隠した。