私とキミと、彼と
「おー、璃汰張り切ってんなー。」
「そうっすよ!
もう首長くして待ってたんっすから!」
「だってさー。
千夏、挨拶できそう?」
「あ、彼女さん後ろにいるんすか!?
凌哉さんに埋もれて全く見えなかった!」
彼の言葉に、視線がこちらに集中したような気がした。
この状況でNOとは言えない…。
そうだよね…。
こんなにも私に会うのを楽しみにしてくれていたのに、隠れてるなんて感じ悪いよね。
私は意を決して、ゆっくりと彼の背中から顔を覗かせた。
一度深呼吸して顔を上げると、そこには3人の男性が─────…
…だけど私の視覚は、まるで吸い込まれるようにただ一人だけを認識したのだ。