私とキミと、彼と
「────…きょんちゃん…?」
部屋の右端の方から控えめにこちらを覗く人。
私はそんな彼の姿を見るなり、思わずあの頃の呼び名を口走ってしまう。
髪色とか雰囲気とか随分変わっていて、まるで別人だったけど…
…私が彼を見間違えるはずがない。
「ち……望月…?」
ぎこちなくでも私の名前を呼んでくれた彼の姿に、思わず涙が出そうになった。
出会って4年、離れ離れになって1年半。
いつも私の頭の片隅にいた初恋の人。
風間恭平(カザマ キョウヘイ)。
私は、彼のことが大好きだった。