私とキミと、彼と
その日をきっかけに私たちは仲良くなって…
次の席替えで席が離れ離れになった後も、顔を合わせる度にくだらない話をした。
部活中に目が合った時には、お互いに激励の意を込めてガッツポーズを送り合ったり…
時には、家に帰った後もLINEでやりとりをしたり…。
間違いなく彼は、私にとって1番仲のいい男友達だった。
だけど、最初は本当にただそれだけ。
男の子として意識したことはなかった。
あの頃の彼はまだ背も小さくて、声も高かったから…同性の友達と同じように接していた。
でも…中学生男子の成長期は、想像以上に凄まじいもので…
「…ん?あれ?
風間くん、何か背伸びた?」
「お、わかる?
この間測ったら、3cm伸びてた!」
中一の夏頃から、彼の身長が急速に伸び始めた。
高かった声もどんどん低くなって…目線もいつの間にか私より上になっていて…
小さくて可愛かった〝男の子〟から、徐々に〝男性〟へと近づいていった彼。
そんな彼の変化と共に、私の中にある彼への気持ちも少しずつ変わっていったのだ。