私とキミと、彼と




そして、私が完全に恋に落ちたのは中一の冬。

クラス全員参加の駅伝大会の日だった。



走行距離の長短はあれど、クラス全員でタスキを繋いで順位を競う行事。

うちのクラスは運動部があまり多くなかったこともあり、陸上部に所属する私は必然的に長距離を任されていた。



しかし、その日はあいにく生理2日目。

お腹の痛みと腰の重さで、正直それどころではない。




…こんな状態で走るとか…無理すぎる。


でも、私が走らないとその分誰かに負担が…

サボりだとか思われるのも嫌だし…。




短い距離なら、誰かに2回走ってもらうことも可能だったのかもしれないけど…

この長い距離を〝代わりに走って〟なんて、そんなことを言う勇気は私にはなかった。



タスキは順調に繋がれていき、何も言えないまま私の走順が近づいてくる。


…もしかしたら、走っているうちに痛みも引いてくるかもしれないし…

大丈夫…走れる。



そう自分に言い聞かせた時だった…








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