私とキミと、彼と
「望月、そろそろウォーミングアップする?
………って、え?…顔色悪くない?」
「風間くん…」
誰よりも早く私の異変に気づいたのは、彼だった。
「大丈夫?
…ほら、一旦座って。」
彼は少し強引に私を座らせると、自分が着ていたジャージを脱いで私の肩にかける。
私のより少し大きなジャージからは、彼の香りがして…それが私の安心材料になった。
「絶対体調悪いよね?
…どっか痛いとか?」
「…ありがとう。
でも大丈夫だよ。走れる。」
強がって無理に笑う私に、彼は小さくため息をついた。
「いや、どう見ても大丈夫じゃないでしょ。
…保健室行こう。」
「…でも、私が走らないとみんなに迷惑が…」
「そんなことなら、俺に任せてよ。」
ニッと笑って見せた彼の言葉には、嘘や偽りなんてなかった。
任せろって…どういうこと?
そう聞きたかったけど、そんな暇もなく…