私とキミと、彼と





「先生。

望月さん体調悪そうなんで、保健室に行ってきます。」





「望月さん大丈夫?

早く行っておいで。」






担任の先生は心配そうに私の顔を覗き込んで、快く送り出してくれたけど…

クラスメイトたちはそうもいかない。








「望月、保健室って…

望月が走る予定だったところ、どうすんだよ?」




「誰が代わりにあの距離走んの?」






クラスの男子数名がそんなことを言い始めると、その空気感はクラス全体に浸透して…

女子たちからも「えー、私やだよ。」「男子が走りなよ。」なんて声が聞こえ始めた。




…あ、私のせいだ。

せっかくみんな駅伝大会を楽しんでいたのに、私が体調悪いなんて言ったから…



やっぱり、自分だけ休むなんて甘えかな?

無理してでも走るべきだったんだ。



そう思い落ち込み始めた頃…








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