私とキミと、彼と
「いい加減にしろよ。
体調悪い人に対してかける言葉がそれ?」
珍しく口調を荒らげた風間くんが、クラスメイトを一喝したのだ。
いつも温厚な彼が怒る姿に、クラス中の空気が張り詰める。
「…でも、誰が代わりに走るんだよ!
望月の走る距離、結構長かっただろ?」
「そうだよ!
女子は長距離走りたがらないし、男子はもう既に長距離走ることになってるから2回走るのは無理だし。」
負けじと言い返すクラスメイト達に、彼は堂々と言った。
「俺が走る。
それで文句ないよね?」
「え…?」
彼の言葉に静まり返ったクラスメイトたちを無視して、彼は保健室の方に歩き出した。