私とキミと、彼と




彼を好きだと自覚しても、告白する勇気なんて私にはなくて…

そのまま友人としての関係を続けていた。



そして中学2年生になって、彼とクラスが離れて間もなく…








「───…俺、望月のことが好き…。

付き合って下さい。」








部活終わり、真っ赤な夕陽の中に照らされた校舎の中で彼に告白された。







「え…い、いつから…?」








衝撃のあまり、告白の返事よりも先にそんなことを尋ねていた。

そんなド直球な問いに、彼は恥ずかしそうに頭をかく。








「…中一の…6月?とか…

…いや、もっと前かも…」








それって…初めて席が隣になった頃だよね…?







「え…言ってよぉ…」





「望月の身長抜かしたら言おうと思ってたんだけど…なかなか勇気出なくて…」







中一の秋頃には、もう私の身長なんて抜かしていたのに。

でも、好きなのに勇気が出なくて告白できなかったのは私も一緒。


それに、あの頃はまだ私は彼のことが好きって自覚してなかったから…

あの時もし彼に告白されていたら、私は何て答えていたんだろう?





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