私とキミと、彼と
「…それで、返事聞いてもいいですか…。」
遠慮気味にそう聞いた彼に、私は満面の笑みで答えた。
「私も、風間くんのことが大好き!
私で良かったら…お願いします。」
「…ほ、んとに?」
「うん。大好き。」
もう一度念を押すと、彼の顔は見る見るうちに紅潮していく。
「絶対大事にする」なんて、嬉しそうに笑う彼を見ていると、胸がじんわりと温かくなった。
───…彼はその言葉通り、本当に私のことを大切にしてくれた。
家の方向は違うけど、部活終わりに私を家まで送り届けるのが彼の日課になった。
他愛もない話をしながら私の家まで歩いて…
バイバイする前には、必ずキスをする。
「家も遠いし、無理に送らなくていいよ。」と遠慮する私に、
彼は「どうせ毎日夜は走り込みしてたから、走って帰れば一石二鳥。」と笑っていた。