私とキミと、彼と
私のワガママにもたくさん応えてくれて…
「彼氏彼女っぽく特別な呼び方で呼び合いたい」という私のお願い。
何度も頼んで、ようやく私たちはお互いのことを〝ちぃ〟と〝きょんちゃん〟と呼び合うようになった。
本当は君がすごく恥ずかしがっていたこと、気づいてたんだ。
それでも、顔を赤らめながら頑張って〝ちぃ〟と呼んでくれることが嬉しかった。
学校帰りは毎日一緒に帰って、お互いに部活が休みの日にはデートにも出かけた。
動物園やゲームセンターに遊びに行ったり…
彼にサッカーを教えてもらったり…一緒にランニングをしたり…
あまりお金を使わない中学生らしいデート。
それでも、彼と一緒にいるだけで楽しかった。
本当に幸せだった。
初恋で、初めての彼氏。
初めてお付き合いするのも、手を繋ぐのも、キスをするのも…
私の〝初めて〟は全部きょんちゃんだった。
そしてこれからもずっと、いろんな〝初めて〟を2人で共有して…
いつか結婚して家庭を築いて、ずっとずっと一緒にいる。
…そんな夢みたいなことを本気で思っていた。