私とキミと、彼と
順調だった私たちの関係が壊れ始めたのは、付き合って1年半が経った頃。
中学3年生の夏だった。
その頃彼は、サッカー部のキャプテン。
市外の強豪校へのスポーツ推薦入学が決まっているほど、注目される選手になっていた。
「ちぃ、あのさ。」
「うん?どうしたの?」
「今週末、決勝なんだけど…
絶対勝つから、応援に来てくれない?」
遠慮気味にそう言った彼に、私は大きく頷いた。
今まできょんちゃんに内緒でこっそり試合を観に行ったことは何度かあったけど…
彼の方から〝応援に来て欲しい〟なんて言われたのは初めてだった。
「もちろん!
誰よりも大きい声で応援する!」
「ははっ。
ちぃの声よく通るから、期待してる。」
中学最後の大会。
負ければ引退、勝てば全国大会に繋がる。
誰よりも大切な彼には、絶対に後悔なんてして欲しくないから…
私も、できる限り応援するんだ。