私とキミと、彼と
「きょんちゃん…。
怪我、大丈夫?」
「あー、うん。
日常生活に支障はないよ。」
寂しそうに笑う彼の姿に、悲しくなった。
好きな人のこんな顔、見たくない。
彼からサッカーを奪ったのも、彼に今こんな顔をさせてるのも…
全部全部、アイツのせいだ…。
「私…
あの日きょんちゃんに怪我させた人のこと、許せない…。」
気づいたら、そんなことを口走っていた。
すぐにハッと我に返る。
しまった…。
きょんちゃん本人でさえ、そんな恨みは一度も口に出さなかったのに…。
こんなこと、私が言っていいことじゃない。