私とキミと、彼と
それから二人の関係はギクシャクしたまま、数ヶ月が過ぎ…
肌寒くなり始めた11月中旬頃…。
「…ごめん、ちぃ。
別れよう。」
「…な、んで…?」
「ごめん…。」
彼は最後まで理由は言わなかった。
でも、その表情には覚悟があって…
彼の中で、私と別れることはもう決定事項なんだ。
きっと私が〝嫌だ〟と言っても、もう何も変わらない。
むしろ彼を苦しめてしまうだけなのだろう…
「うん、わかった…。
今までありがとう。」
溢れ出そうになる涙を堪えて、最後は笑顔で…
彼の顔なんて見たら気持ちが揺らいでしまいそうだったから、言い逃げするようにその場を後にした。
それから残りの中学生活も、できるだけ彼と顔を合わさないように…声を聞かないように…
そんな風に避けて過ごすうちに、あっという間に卒業を迎え…
中学を卒業してからは、彼の行方も分からなくなってしまったのだった。
こうして私の初めての恋は呆気なく終わった。