私とキミと、彼と
「ここは春陽さんからどうぞ!」
「えーと、じゃあ俺から…。」
〝ハルヒさん〟と呼ばれた男性は、少し照れたように首の後ろを撫でる。
色白の肌にくっきりとした二重、色素の薄い髪の毛は、まるで異国の王子様のよう。
「初めまして、千夏ちゃん。
一条春陽(イチジョウ ハルヒ)です。
凌哉とは中学からの同級生で…ちょっと変なヤツだけど、仲良くしてあげてね。」
「おーい。
〝変なヤツ〟って何だよ、春陽。」
「え?それは事実でしょ。」
「ちげーわ、あほ。」
柔らかい笑顔で毒を吐く一条さんに対し、凌哉くんはすかさずツッコミを入れる。
まったく雰囲気の違う2人だけど、とても仲が良いことが伝わってくる。