私とキミと、彼と
「ちょっとちょっと、お二人さーん。
俺たちの目の前でイチャつかないでもらえますー?」
「なっ…イチャついてなんか…っ!」
冷やかす璃汰に私は必死に抗うけど…
隣で肩を抱く凌哉くんは、何だか嬉しそう。
私の肩に添えられていたその手は、そっと腰の辺りまで下りてきて…
腰のラインをなぞる手つきがやたらと色っぽくて、思わず肩がピクリと揺れた。
「こんなの、イチャついたうちに入んねーし。
…なぁ、千夏?」
「…へっ…、……えっ…?」
その艶っぽい声に、私の全身の熱は顔の方に上ってきて…
その熱に侵されるように思考は停止する。
「…てことで、そろそろ千夏サン独り占めしたいから…
しばらく隣の部屋には入ってこないように。」
最後には3人にそう命じた彼は、私の腰を抱いたまま部屋の出口へと向かう。
「凌哉、程々にね。」
…なんて彼を諭す優しい春陽さんの声を背後に聴きながら、私は誘導されるがまま彼について行った。