私とキミと、彼と
ついさっき出会った私のために、当たり前のように優しくしてくれるなんて…
端正な顔立ちのせいか、はたまたお洒落にセットされた髪型と服装のせいか、一見軟派そうに見えるのに…
きっと困っている人を放っておけないタイプなんだろうな。
「ハマった方の靴、一旦脱いで。」
「あ、はい。」
彼の言われるがまま左足の靴をそっと脱ぐと、彼は私の足元にしゃがみ込んだ。
「…えっ、ちょっ……」
長めの丈ではあったが、一応スカートを履いていたため慌てて裾を抑える。
まぁ、彼の目線は私の足元にしか向いていなかったのだけど…
一人で慌ててバカみたいじゃん…。
「これ、試しに力ずくで引っ張ってみてもいい?」
「…それはもちろん。」
これが抜けない限り私はここから動けないし、助けて貰えるならありがたい。