お願いだから、キスしてください!〜妖精だけど人間に恋をしています〜
今まで半日でダウンしていた仕事が、しっかり夕方までこなすことができた。
マリーもおじいちゃんもとっても褒めてくれて、クタクタだったけれど、とても満足しながら一日を終えることができた。フィオンのこと以外は。
ネグリジェに着替えてバルコニーに出る。そこまで肌寒くないけれど、昨日のガウンをしっかり羽織ってきた。
月はもう山に隠れそうだ。
月の光を浴びているとバイオレットが隣にやってきた。
「だいぶ体調も良さそうだね。早く月の光のことを思い出していればよかった」
「本当。バイオレットがついてきてくれていなかったら、私きっともうダメだったかも」