お願いだから、キスしてください!〜妖精だけど人間に恋をしています〜
「どうしたら、もっとフィオンと仲良くなれるのかしら」
ぽそりと呟いた言葉に、マリーが嬉しそうに答えてくれた。
「それはもっとお互いのことを知る、じゃないかな。メリンさんのことをもっと知ってもらわないと!」
私は生半可な気持ちで人間の姿になったわけではないということを思い出す。
少し体が弱っただけで、心もすっかり弱ってしまっていたようだ。
体が元気になってきたのだから、頑張らなければ。
「私、もっとフィオンと話してみる!」
せっかくおじいちゃんが作ってくれた機会をみすみす逃すなんて愚かなことをしてしまった。これからはしっかりフィオンのところへ押しかけよう。
そう心に誓ったのだった。
「それで、執事長に私の服をメリンさんに貸してあげてと言われたんだけど、このあと見に来る?」