狂い咲きの蝶
「杏音、ゴールデンウィーク、どこにいきたい?」
「うーん、どこでもいいよ♪」
「…そういわれるのが一番困る」
「じゃあ、熱海!」
「熱海ぃ!?なんで!?汗」
「熱海はね、昔、おばあちゃんが住んでいてね、…思い出の場所なんだぁ」
昔を思い出して目を細める杏音は、小学生時代の面影をはっきりと残していた。
「おい!B組の真藤が桜山さんに告ったって!!」
「で!?どうだった!?」
「ふられたってよ。」
「あーなんだよぉ、よかったぁ。。」
僕たちは、内緒で付き合っていた。
“学級委員がやりづらくなりそうなのが怖いから”
という面目で杏音を説得したのだが、
実際は単にさっきのような会話で優越感に浸りたかっただけだ。
学力がみんな揃って高いこの高校で、僕にはそういうちまちました方法でしか優越感にひたることができないでいた。
クラスのアイドルが僕の彼女。
そしてその彼女とゴールデンウィークに熱海。
ただただ有頂天だった僕。
この熱海が、まさか悲惨な旅になるなんて、思いもしていなかった。
「うーん、どこでもいいよ♪」
「…そういわれるのが一番困る」
「じゃあ、熱海!」
「熱海ぃ!?なんで!?汗」
「熱海はね、昔、おばあちゃんが住んでいてね、…思い出の場所なんだぁ」
昔を思い出して目を細める杏音は、小学生時代の面影をはっきりと残していた。
「おい!B組の真藤が桜山さんに告ったって!!」
「で!?どうだった!?」
「ふられたってよ。」
「あーなんだよぉ、よかったぁ。。」
僕たちは、内緒で付き合っていた。
“学級委員がやりづらくなりそうなのが怖いから”
という面目で杏音を説得したのだが、
実際は単にさっきのような会話で優越感に浸りたかっただけだ。
学力がみんな揃って高いこの高校で、僕にはそういうちまちました方法でしか優越感にひたることができないでいた。
クラスのアイドルが僕の彼女。
そしてその彼女とゴールデンウィークに熱海。
ただただ有頂天だった僕。
この熱海が、まさか悲惨な旅になるなんて、思いもしていなかった。