狂い咲きの蝶
「杏音、どうしたの?」

もう数日間朝ごはんを一口も食べない私を見て、真っ先に心配してくれたのは姉の理世ちゃんだった。

小学校のときにいじめにあっていた理世ちゃんは、私が元気を少しでもなくすとすぐに気づいてる。

それどころか、すぐる君と付き合いだしたことも真っ先に見破ってきたこともあった。


「学校っていうのは無理していくところじゃないよ」

何も言わない私に理世ちゃんはそっと言葉をかけて、どこかにでかけてしまった。

理世ちゃんは不良少女だと周りから言われ続けてきたけど、ぜんぜん不良なんかじゃないと思う。


「あたしはフリョウっていう肩書きをつけていじめを克服したんだ。…卑怯なおねえでごめんね。」

いつかタバコをふかしながらそう語ってくれた理世ちゃん。

私が定期試験で一番とり損ねた時も

「完璧のハク守ろうとして人生終わらすのは勿体無いよ」

とか言ってきた。
理世ちゃんのことだから、2番の成績でくよくよしてる私を罵倒してくると思ったのに…。


理世ちゃんの言葉はなんだかいつも私を窮地から救い出してくれた。
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