狂い咲きの蝶
後ろから急に黒い影がせまってきて、まず、そのうちの一人が乱暴にが晴を抱き上げた。
「やめて!!」
私がそう叫びおわる前に私の足がふっと地面から離れ、脇を抱え上げられてしまった。
「離して!!離して!!」
しかし横目で犯人を見た瞬間、私はもう何も言えなくなっていた。
凍りついた目。底のない沼をたたえたような雰囲気と、それに反するような笑みを浮かべる口元。
一瞬黙った私の口を、粘着テープがまとわりつき、そのまま私の意識はなくなった。
次に覚えているところは、ひんやりとした廃屋らしい場所。
牢獄を連想させるような場所だった。
隣で晴がやかましく泣いている。
そんな晴を、男の一人がふざけ半分にあやしていた。
そこまではよかった。
「やめて!!」
私がそう叫びおわる前に私の足がふっと地面から離れ、脇を抱え上げられてしまった。
「離して!!離して!!」
しかし横目で犯人を見た瞬間、私はもう何も言えなくなっていた。
凍りついた目。底のない沼をたたえたような雰囲気と、それに反するような笑みを浮かべる口元。
一瞬黙った私の口を、粘着テープがまとわりつき、そのまま私の意識はなくなった。
次に覚えているところは、ひんやりとした廃屋らしい場所。
牢獄を連想させるような場所だった。
隣で晴がやかましく泣いている。
そんな晴を、男の一人がふざけ半分にあやしていた。
そこまではよかった。