狂い咲きの蝶
『初Hの平均年齢』
『ベスト体位ランキング』
『おすすめ小道具』

雑誌の真ん中に堂々と特集されている丸くてピンクい文字の塊が余計に私をイライラさせる。

私のイメージとして、恋はさくら。
お互いを想って想って、そしてはかなく散ってしまう。

なのに、この雑誌を読む限りでは…友達や先輩の話を聞く限りでは、恋はさくらじゃない。

淡い色ではなく、度ギツい色。ショッキングピンク。
やわらかではなく、トゲがある。ひいらぎ。


恋や愛に夢というものに、いつまでも夢をみていられないのかな。
成長というものは時に悲しいものなんだと思った。


「晴はまじめだよね。」
固い表情で雑誌を見つめる私に向って、友達がしみじみと言った。
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