狂い咲きの蝶
「へぇ…。さすが晴さん!!あったまいぃ!!」
「そんなことないよ。」
実際そうだった。
桜山家には、杏音ちゃんがいる。学校トップの天才がいるから、ちょっといい成績をとったからといって、嬉しくない。
杏音ちゃんは確かに優しいお姉ちゃんだけど、いい意味での目立てる部分は全部持っていってしまっている気がする。
「…ありがとう。」
不意に私は勇樹にむかってつぶやいた。
「え?」
「あ、いや、あんまり家ではほめられることないからさ、嬉しかったの。」
慌てて早口でごまかした。
そしてその瞬間、自分がなんで勇樹君がすきなのかがわかった気がした。
兄弟の多い桜山家では、自分が主役になれるのは誕生日くらいで、個人的に認めてもらえることが少ないからだ。
こんな地味な私でも、杏音の下でしかない私でも勇樹は認めてくれる。
それが、とっても嬉しいんだ。
「そんなことないよ。」
実際そうだった。
桜山家には、杏音ちゃんがいる。学校トップの天才がいるから、ちょっといい成績をとったからといって、嬉しくない。
杏音ちゃんは確かに優しいお姉ちゃんだけど、いい意味での目立てる部分は全部持っていってしまっている気がする。
「…ありがとう。」
不意に私は勇樹にむかってつぶやいた。
「え?」
「あ、いや、あんまり家ではほめられることないからさ、嬉しかったの。」
慌てて早口でごまかした。
そしてその瞬間、自分がなんで勇樹君がすきなのかがわかった気がした。
兄弟の多い桜山家では、自分が主役になれるのは誕生日くらいで、個人的に認めてもらえることが少ないからだ。
こんな地味な私でも、杏音の下でしかない私でも勇樹は認めてくれる。
それが、とっても嬉しいんだ。