狂い咲きの蝶
「晴さ~ん、俺、晴さんのことが、好きだよぉ」

「え!?」

後ろからさけばれて、思わず身震いしてしまった。
…なにも、そんな軽くいわなくても…。


「友達として。なっ♪」

勇樹はいたずらっぽく笑って走り去った。



“友達として”…か。

帰り道、勇樹の言った言葉が頭の中を旋回してとまらなくなっていた。

勇樹の赤い唇が一瞬脳裏をかすめる。
なんだか恥ずかしかった。


そして、偶然にも、その日の昼食はやまかけうどんだった…。
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