狂い咲きの蝶
「理世ちゃん、理世ちゃん」

杏音がそういうから、晴も明も私のことを理世ちゃんと呼ぶようになってきた。

…お兄ちゃんはお兄ちゃんなのにね…。


しかも私は小学四年にあがった頃からいじめにあうようになっていて、学校と家庭の板ばさみみたいになっていた。

なのに、お母さんもお父さんも私には全然かまってくれない…。

入園したての明。
来年小学校にあがる杏音…更に中学受験を控えるお兄ちゃんのことで頭がいっぱいのようだ。

しだいに私は荒れていった。
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