狂い咲きの蝶
しかし、そのグループは私の知らない怖さを持っていた。
そして私がそれに気づくのに時間がかかりすぎた。

「おい、やれやれーー!!!!」

年が変わって私が小学5年、大樹さんは6年になった春。公園が突然さわがしくなった。

砂埃がたちこめていて、よく見えない。なんだか男子が乱闘しているように見えた。

…が、違った。
完全なるイジメだ。一人に対して4人も人がたかっている。

ターゲットは5年のひ弱な男子だった。
5年のなかでもけっこういじめられているみたいだけど…ここは半端ない。


「おまえ、マキさんに近づいたろ?」

「…そうだよ!悪いか!」

「んだと…!?まだわかんねーのかよ!!!」

繰り返される蹴り飛ばし。
見るからにまだ手を抜いているようだったが、本気になるまで秒読みかと思える雰囲気だった。

その時自転車が止まったかと思うと、シュウが何か持ってきた。
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