狂い咲きの蝶
「……た…」

「おまえ、転校すんのか。へー。負けを認めるんだ。しょーがねーな。」

「…ごめんなさい、ごめんなさい…!!!!」


意味不明にひたすら謝った。


「…まぁいいや。おまえのことはもう昨日のことで許してやるから。
……はは、ショートヘアーもなかなか似合うぜ。」





…昨日…?

昨日は一日、家ですごしていた筈だった。
何もされてないし、ただ……


……ただ……



「大樹さん!!…昨日って…もしかして、杏音を………!!!!!」


「安心しろ!!転校先までは追っかけねーよ!これでお前とはおさらばだ!!!あーばよ!!」


「………」


「おまえの妹、狂い咲き、ってところだな。…ざんねんでした♪すっげーよかったよ☆」





…母の言ったことは正しかったのだった。
< 76 / 81 >

この作品をシェア

pagetop