狂い咲きの蝶
目が覚めると夕方だった。
杏音はいなかった。…きっと事情徴収だろう。


「…出かけてくる。」

意識が朦朧としたままで、理世はあの時の公園へ向かっていった。



「おぉ、理世じゃん。」

「なんだなんだぁ!?」

にやける集団。
そしてにらみを利かせるアキコ。

しばらくして集団が静まり返った時に、理世は震える声でつぶやいた。



「杏音と…晴を…連れ去ったやつらは…おまえら…か??」


「ぶっ!!!!」

誰かが吹き出した。



…アキコだ。



「おまえが、私の下駄箱蹴り飛ばしたトコ、みちゃったんだよね♪♪」

アキコは理世の胸倉を掴むとミゾオチめがけて蹴りをいれた。


「う…!!」

理世は一瞬ひるんだが、目だけはアキコを睨みつけたままだった。

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