狂い咲きの蝶
蝶が散る
「これから平成16年度、南高等学校入学式をはじめます。一同、起立!…礼。」
広い体育館に貫禄たっぷりの校長の声が響く。
さすが…雰囲気が全然違う。
深い紺色のブレザーを身にまとった新しい同級生達は
まさしく大人だった。
そして入学式の僕の席の後ろには
杏音ちゃんがいた。
もうあの頃の僕じゃない。
あの頃の僕は背も小さかったし、とりたて取り柄がなかった。
だけど僕は必死で勉強した。そして合格を勝ち取ったんだ。
きっと僕の変貌ぶりに、杏音ちゃんもすぐには気付かないだろう。
「あ、やっぱりすぐる君だよね!!」
ところが杏音ちゃんはあっさり僕を見つけ出した。
少しがっかりした。
そして逆に僕の方が驚いてしまった。
…杏音ちゃんは…綺麗になっていた…。
髪の毛はあいかわらず長く、前より艶やかになった気がする。
瞳の奥の深さは前よりもっと増したようだ。
そして何より笑顔が色っぽくなった。
なんだかそんな杏音ちゃんがまぶしくてずっとは見ていられなかった。
広い体育館に貫禄たっぷりの校長の声が響く。
さすが…雰囲気が全然違う。
深い紺色のブレザーを身にまとった新しい同級生達は
まさしく大人だった。
そして入学式の僕の席の後ろには
杏音ちゃんがいた。
もうあの頃の僕じゃない。
あの頃の僕は背も小さかったし、とりたて取り柄がなかった。
だけど僕は必死で勉強した。そして合格を勝ち取ったんだ。
きっと僕の変貌ぶりに、杏音ちゃんもすぐには気付かないだろう。
「あ、やっぱりすぐる君だよね!!」
ところが杏音ちゃんはあっさり僕を見つけ出した。
少しがっかりした。
そして逆に僕の方が驚いてしまった。
…杏音ちゃんは…綺麗になっていた…。
髪の毛はあいかわらず長く、前より艶やかになった気がする。
瞳の奥の深さは前よりもっと増したようだ。
そして何より笑顔が色っぽくなった。
なんだかそんな杏音ちゃんがまぶしくてずっとは見ていられなかった。