悠久の絃
目が覚めるともちろん手を握ってくれる人は居ないわけで。

トイレに行くためにベットから出る。


「あれ?誰のリュック?」


ベッドの横にリュックが置いてあった。

「ッッ…ビックリした。」


振り返ってソファを見ると悠先生が寝ていた。

起こしちゃいけないような気がして、そっとブランケットをかけて置いた。

気を取り直していざトイレへ。






個室に入ってズボンと下着を下ろした時、本日2度目のビックリ。



「な、、んで?」


下着に血がついてる。

どうしよう、どうしよう、どうしよう、どうしよう

どうしよう。先生に言う?でも、治療になるよね。それに、今部屋にいるのは悠先生だし。どうしよう。血、、だよね?これ。止まるのかな。

とりあえず、何度もトイレットペーパーで拭って部屋に戻った。





「ごめんね。寝ちゃってて。ブランケットありがとう。」


部屋に入って、すぐに立ちすくんでしまった。

悠先生が起きてる。


「う、うん。だい、大丈夫。」


「うん?いとちゃん?どうした?」



受け応えも、歩き方もカクカクしてて、もちろん悠先生にバレた。

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