悠久の絃
しばらく歩いていると、後ろから声をかけられた。


??「あーー!!一己(イブキ)じゃん!久しぶりー!!」


おいおいおい。ここは普通に廊下だぞ。誰だよ。
と思うけど、大体検討はついている。

振り返って顔を見ると、やっぱり。


「久しぶり、律(リツ)。もう少しボリューム下げろ。」


そう。これは赤城律(アカギリツ)。小児科で研修中の悠先生と、小児心臓外科の綾先生の兄貴。
今はアメリカの姉妹病院に派遣されてるから一時帰国だろう。


律「元気してたー??今から大祐(ダイスケ)のとこ行くから一緒に来てよー」


「もう院内だから大祐じゃなくて院長って言いなさい。」


律「堅いなー。さすが日本。」


やっぱりコイツはアメリカにいるのが1番いいのかもしれないな。
今日もスーツじゃなくてアロハシャツだし。また親父さんに怒られるんだろうな。



律「さっき大祐に着いたよ〜って連絡したら院長室に居るって言われたんだけど、院長室って何階だっけ?」


「12階だよ。あと院長な。」


はいはーいと流されながら院長室へと向かった。











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