悠久の絃
瀬堂「落ち着いてきたね。椎名先生、僕は服捲っとくから聴診してあげて。」


椎名「はい。

そのまま、深呼吸してて。」


椎名先生の掌で温められたチェストピースが胸に触れた。

ピクッ


瀬堂「大丈夫だよ〜深呼吸ね。」




椎名「ん。もういいよ。」


瀬堂「どう?」


椎名「過去一酷いです。」


瀬堂「俺も聞くから捲っといて。

絃ちゃん、ごめん。もう1回もしもしするね。」




椎名先生も、今もしもししている瀬堂先生も険しい顔をしている。

そんなに悪いのかな、、、


瀬堂「絃ちゃん?ゆっくり深呼吸ね。」


そうだった。深呼吸、深呼吸。





瀬堂「はい、いいよ。」


椎名先生が服を戻してくれた。


瀬堂「思ってたより酷いかな。絃ちゃん、今からもくもくしに行くよ。」


だよね。知ってた。

コクッ



椎名「移動するのしんどそうなんでネブライザー持ってきますよ。何回やりますか?」


瀬堂「ありがとう。助かる。今日は、3回かな。」


椎名「分かりました。」




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