悠久の絃
瀬堂「絃ちゃん。ちょっとお話しよう。」


まだ若干息苦しさが残るが、顔を上げた。

怒られるのかな。



瀬堂「大丈夫。怒ったりはしない。ただ、喘息ついて、もう少し考えよう。今の状態ではお腹が治っても退院はさせられない。」


退院、、出来ない、、

気づけば目には溢れんばかりの涙が溜まっている。




コンコンコンッ



律「唯弦、どうした?って絃ちゃん、なんでそんなに目が真っ赤に?」


律先生と椎名先生が部屋に入ってきた。


瀬堂「すみません。呼び出しちゃって。樹と悠先生は急患対応みたいなので、律先生を呼びました。
ちょっと、絃ちゃんの音聞いてもらっていいですか?」


律「俺さっきも聞いたんだけど。まあ、悪化してそうだね。唯弦、聴診器貸して。

ちょっと冷たいよ。」



また律先生のもしもし。
咳が出ないようにゆっくり深呼吸を繰り返した。







律「はい、いいよ。

発作出たでしょ。かなりデカめの。そんで吸入して今に至るって感じ?」
 

瀬堂「その通りです。どう、思いますか?」



律「どう思うって、抽象的すぎるな笑

ん〜、そうだね。はっきり言えば退院はまだ無理。これは2時間前に聞いた時と同じ意見かな。お腹はほとんど治ってるし、たとえ悠の家に帰るとしても俺だったら帰すのは無理だな。

多分唯弦もここまでは同意見でその後を聞いてるってことでいい?」



瀬堂「はい。全く同意見です。」



そんなに私の喘息って酷いんだ。
嫌だな。退院したい。
涙がポロポロと溢れてきた。
椎名先生は優しく、背中をさすってくれる。






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