悠久の絃
瀬堂「樹も悠くんも急患対応、律先生も救急に行くってことはもしかして今荒れてる?」


椎名「はい。救急はスクールバスの一件以来の戦場らしいです。」


瀬堂「じゃあ上宮先生も来られないね。
僕ももう1回検査したいと思ってたんだけど、誰もいないなら日程決められないね。

絃ちゃーん、呼吸楽になってきたかい?」



さっきよりかはマシになってきた。でもまだ苦しい。


「ハァハァ、、さっ、、きより、、マシです。ケホッケホッ」


瀬堂「そっか、、まだ苦しい?」

コクッ


瀬堂「マスクつけようか。多少は楽になるからね。」


そう言って酸素マスクがつけられた。

確かに少しは楽になる。

でも、マスクは大きいからマスクが曇ると視界も曇ってしまう。



うぅぅぅ、、、、苦しいし、体がまたしんどくなってきた。

悠先生は来なくなっちゃったし、視界は曇ってるし耳もキーンってする。



椎名「しんどいか?寝てていいぞ。」


寝れるんだったら寝たいよ。でも、悠先生に会いたい。


「、、、ゆう、、せんせ、、は?どこに、、いるの?」


瀬堂「悠先生は今来られないんだ。来た時に起こしてあげるから今は寝ようね。体を休めてあげよう。」


そう言いながら、瀬堂先生の大きくて優しい手が目に覆いかぶさった。

そして知らぬ間に眠りに落ちた。












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