悠久の絃
「うーん、僕は病院に行って点滴した方が楽だと思うんだけど。」


「ケホッケホッ、、いかない、です。」


そう言って上目遣いで見つめてきた。

昔から変わらない、お願いの仕方。これやられると流されちゃうんだよな。


「わかった。今は、行かない。でも、明日の朝は絶対行こう。いいね?」


絃ちゃんは頷かなかったけど、納得したことにしよう。

あ、ご飯どうしよう。絃ちゃんもう食べられないよね。うどん伸びちゃったかな。

俺の膝の上で寝落ちた絃ちゃんを部屋に運び、伸びきったうどんを食べた後に上宮先輩に電話をかけた。


上宮[もしもし。唯弦、どうした?]


[遅くにすみません。今悠くんの家にいるんですけど、絃ちゃん発作起きちゃって。]


上宮[あー、今から来る?]


[本人が嫌がってるので、明日の朝、もう一度発作が起きればその時に行こうと思います。]


上宮[了解。来る時連絡して。ベッド空けとくから。]


[わかりました。ありがとうございます。]



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