悠久の絃
そろそろ熱が出はじめる頃だから、絃ちゃんの部屋に入って体温計を脇に挟んだ。



ピピピピッ ピピピピッ


38.8度。これはびっくり。さすがにダメだな。


〈今から行きます。解熱剤用意しておいて下さい。〉

と上宮先輩にメッセージを送った。

咳をする体力も残っていないのか、ぐったりとして喘鳴も酷い。


救急車を呼ぶか、タクシーを呼ぶか。どちらも到着までに時間がかかる。

俺がとった行動は、

「絃ちゃん、しんどいね。目、開けててね。」


絃ちゃんをおんぶして走る。

家の鍵です。と悠くんから受け取った鍵でちゃんと戸締りもした。

あとは病院に向かって走るだけ。







歩いて10分もかからない道なんだから3分で着いた。



「上宮先輩!」


上宮「え、走ってきたの?」


「はい。熱は38.8度です。多分さらに上がってます。」


上宮「わかった。唯弦も処置入って。」




それからは点滴入れたり吸入させたりしてようやく一安心。





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