悠久の絃
瀬堂「ありゃ?これまた大変な時に来ちゃった。
挿管?変わるよ。」


瀬堂先生は僕の手の中からスっとチューブを取って挿管した。

1発で。

その後の禅くんは呼吸、心拍ともに安定して、無事山場を超えた。





in NICU休憩室


瀬堂「いや〜お疲れ様だね〜。」


「ありがとうございました。挿管、凄かったです。」


瀬堂「でしょ〜。呼吸器内科医の腕の見せどころだったね。新生児は特に難しいからね。練習あるのみ!」


「そうですね。もっと練習します。

ところで、なんで瀬堂先生がここにいるんですか?」



瀬堂「ああ、実はね、


...


ごめんね。僕が付いていながら。」



「いえ。誰がいてもこうなっていたと思うので、専門の瀬堂先生がいて良かったです。」


本当に、瀬堂先生で良かった。
もし1人にしていたらと考えるとゾッとする。


瀬堂「でも、今回は検査したら退院していいからさ。2、3日だけ。
そろそろ小児に上がるだろうし、今日の夕方くらいに行ってあげなよ。」


そっか。もう7時だから引き継ぎも始まるのか。
禅くんの容態も安定したから、しばらくは家に帰れるかな。


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